高齢者社会が加速する日本において常に問題となっているのが老後の一人暮らしです。
特に、老後を向かえて家賃を払い続ける生活と家賃を払わない生活、どちらが良いのかという問題は、常に議論の的になっています。
この記事を通じて、賃貸と持ち家の長所と短所について解説していきましょう。
高齢者の一人暮らし、その割合は?
高度経済成長期からバブル期の時代、日本の経済の成長に比例して伸びてきたのが、日本人の平均年齢です。
暮らしが豊かになったことで国民の平均寿命も伸びてきた日本国内において、現在、高齢者に分類される人のなかで一人暮らしをしている層はどれくらいいるのでしょうか。
次のグラフを参考に高齢者の一人暮らしの人口を見てみましょう。
このグラフによると、65際以上で高齢者に分類される層が一人暮らしをしている割合は、昭和55年(1980年)から年々増加趣向で過去に一度でも減少したことがなく、その増加は男女ともに見られる傾向といえます。
昭和55年に男性と女性がそれぞれ約19万人・69万人、パーセンテージにすると日本の総人口のうち男性・女性がそれぞれ4.3%・11.2%という数字です。
そして、その35年後である平成27年(2015年)には男性・女性の人口はそれぞれ約192万・400万人、割合でいうと男が13.3%、女性が21.1%となっています。
高齢者の人口は数十年前に比べて男性は約10倍、女性は約5枚にも増加しているのです。
高齢者の増加により社会問題となっていることといえば、高齢者による孤独死が挙げられます。一人暮らしをしている高齢者で身寄りのいない人は、何かあってもサポートしてくれる人はいません。
そのため、老後はどのような住居方法を選択すればいいのかという課題は、今の若い人たちの問題でもあるのです。
老後の一人暮らし、賃貸生活のメリット、デメリットとは?
賃貸生活の長所は、大きな資金を用意しなくても良い点です。
住居購入のために住宅ローンを組むと頭金の支払いがあるので、最初からそれなりの大金を準備しなくてはいけません。
また、住居が手に入っても固定資産税やリフォームのための出費が必要です。しかし賃貸であれば敷金礼金の支払いがありますが、大きなお金を用意しなくても生活を始めることができます。
また、賃貸の住居が劣化したり故障したりしても、それらにかかる費用は、賃貸住居の大家や管理人が出すので、自身がお金を出す必要はありません。
住居を購入して住宅ローンを組んだ場合毎月の支払いがあり、賃貸も月々の家賃を払わなくてはいけません。
しかし、家賃の安いところに住めば数十年で見た場合、住宅ローンよりも出費を抑えることが可能です。長い目で見ると持ち家よりも金銭的に得をする場合もあるのが、賃貸生活のメリットです。
デメリットは、高齢のため入居を断られるケースもあることです。高齢者は定年して収入は年金のみという人も少なくありません。
そのため、安定してなおかつ定期的な収入がない人は、入居が難しいかもしれません。また、自分好みに部屋をカスタマイズできないことも短所といえます。
年齢による入居拒否があった場合、民間ではなく自治体などが運営している公営住宅を頼りにするという手段もあります。
公営であれば所得が低くても入居可能で家賃も低いところがあるので、自治体に相談するのがいいでしょう。
老後の一人暮らし、持ち家生活のメリット、デメリットとは?
住居を借りるのでなく購入した場合の長所は、誰にも気を使わずに自分だけの住居空間を楽しめる点です。
賃貸の場合はあくまで借り物なので、部屋を自分好みにリフォームすることはできません。
また、アパートなど同じ建物に他の住民もいるために他人にも気を使って生活をしなければいけません。
しかし、持ち家であれば自分だけの空間なので他人に気を使うこともなく、自分の好きな住居環境にカスタマイズできます。
そして、持ち家があればそれが自分の資産になることもメリットです。
いざというときに持ち家を売却すれば決して少なくはないお金を入手することもでき、また持ち家を担保にして借入といった方法もできます。
持ち家が一人暮らしには広すぎて持て余してしまう場合は、住居を誰かに貸して家賃収入を定期的に受け取るといったこともできるでしょう。
持ち家を資産といった形で考えると、さまざまな展開が可能になるのです。
住居購入の短所は、賃貸暮らしにはない固定資産税の納税義務が発生する、定期的なメンテナンスをしないと劣化して建物が弱ってしまうなどがあります。
メンテナンスをしないで今までいると、建物の各所が傷んでしまい、その修復費用がかかり、その防止をするためのメンテナンスにも当然費用がかかります。
住宅ローンの支払いだけでなくさまざまな出費がかかるので、賃貸のほうがトータルの出費は安くなる可能性もあるのが、住居購入のデメリットです。
以上、賃貸・持ち家のさまざまな特徴を解説しましたが、どちらにも良い点・悪い点があるので、しっかりと考慮して自分のライフスタイルにあった住居方法を選びましょう。
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