「住宅ローン控除は確定申告が必要みたいだけど、なんだか難しそう…」
自営業の人と違い、会社員の人は確定申告をする機会があまりないですよね。
しかし、持ち家を住宅ローンで購入した人は初年度に申請することで、10年間で最大400万または500万の税金が戻ってきます。
今回は、住宅ローン控除の確定申告についての解説です。
【住宅ローン控除の確定申告】概要・時期・2年目以降の対応など
持ち家を住宅ローンで購入すると、税額負担を軽くするために住宅ローン控除を受けられます。その概要を知っていて関心がある人は、55.7%というデータがあり、半数以上です。
(出典:株式会社リクルート住まいカンパニー 住宅購入・建築検討者調査)
⚫️住宅ローン控除について
住宅ローン控除は新築だけでなく、要件を満たした中古・リフォームの住宅ローン残高に応じて所得税から控除できる制度。
さらに、省エネや耐震、バリアフリーなどの設備が整った優良物件は通常よりも還付額が大きくなります。
還付される額は、年末ローン残高の1%。その年の所得税から控除され、控除しきれなかった分は住民税から差し引かれる仕組み。入居期間に応じて10年間〜13年間受けられます。
⚫️確定申告の時期・2年目以降の流れ
・2020年分の確定申告期間:2021年2月16日〜3月15日
・確定申告以降の流れ
①控除を受ける初めの年〜2年目
2月〜3月15日頃 確定申告(前年の1月〜12月分)
申請後、約1ヶ月で口座に振り込まれる
5月 控除できなかった分を、住民税から差し引き税額が決まる(A)
6月以降 住民税が給与天引きされる
10月頃 書類が届く
・年末調整のための住宅借入金等控除証明書(税務署から送付)
・残高証明書(金融機関から送付)
11月頃 年末調整の際に上記書類を会社へ提出
年末に控除額が還付
※以降確定申告不要
②控除を受ける3年目以降
※確定申告不要
5月に前年同様、控除できなかった分を住民税から差し引き税額確定。以降の流れは前年と同様。
(A)…住宅ローン控除は所得税から差し引く仕組みですが、たとえば控除額25万、所得税20万の人の場合、全額控除できません。そこで、残り5万は住民税から差し引きます。
⚫️確定申告の手続き手段
確定申告の手続きは住んでいる地域の税務署。申告書類の入手先は、税務署または国税庁の公式サイトです。
提出方法は、持参・郵送・e-tax(オンライン)を選択可能。
⚫️必要書類
・確定申告書(A)
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・本人確認書類 個人番号カードまたはその通知カード写し+免許証、パスポートなど
・建物・土地の不動産売買契約書の写し
・源泉徴収書
・借入残高を証明する証明書
・耐震基準適合証明書 (基準を満たす中古物件の場合)
・認定通知書 (認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合)
住宅ローン控除を受けるには自身での確定申告が必須。会社員の人で確定申告についてよくわからない人は、早めに準備をして忘れずに申請してくださいね。
【住宅ローン控除最大500万】長期優良住宅の確定申告とは?
前章で解説したように、住宅ローン控除は通常最大400万の還付です。しかし、一定の要件を満たした優良物件なら、さらに還付を受けられます。
住宅ローン控除への関心がある人はマイホーム検討者の半数以上でしたが、以下の調査結果から、優良住宅への興味は全体的に薄いことがわかります。
①住宅ローン控除に関して、以下の内容を知っていて、関心がある人
・長期優良住宅認定は最大500万の還付が受けられる 35.4%
・認定低炭素住宅は最大500万の還付が受けられる 22.5%
(出典:住宅購入・建築検討者調査)
②以下の言葉を知っていて、関心がある人
ZEH 21%
長期優良住宅 38.8%
認定低炭素住宅 18.1%
(出典:住宅購入・建築検討者調査)
長期優良住宅とは、所定の条件を満たした長く快適に住むことができる家です。この認定を受けるには、以下の各基準を満たす必要があります。
・劣化対策
・耐震性
・バリアフリー性
・省エネルギー性
など
認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出を抑えるために、低炭素化の措置が取られている家です。
認定されるには、一定以上の省エネルギー性能を持ったり、節水対策がされている必要があります。
これらの住宅認定を受ければ、住宅ローン控除額が上がるだけでなく、住宅ローンの金利も優遇されます。
ちなみに、上記の調査②に記載のZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略です。
太陽発電でエネルギーを自ら作ったり、断熱性や省エネの性能を高くすることで、消費したエネルギーよりも作ったエネルギーの方が多い家をいいます。
長期優良住宅や認定低炭素住宅は、通常の住宅よりも費用がかかります。しかし、住宅ローン控除の上限が上がるだけでなく、質が高いため、長く快適な暮らしができる点は大きなメリットです。
注文住宅を検討している人は、金利優遇や控除額上限アップなどを活用し、積極的に検討してはいかがでしょうか。
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