「自分に何かあった時、ローン残高はどこまで保障されるの?」
団信の保障範囲は、基本的に死亡に対してですが、特約をつけることも可能です。しかし、特約を付けると言っても、どんな特約をつけたらいいのかわからないですよね。
今回は団信の保障内容や注意点について解説していきます。
【大切な家族を守る】住宅ローンの団信・保障内容を徹底解
団信とは、契約者が不慮の事故や病気などで住宅ローンを返済できなくなった時、残高を保障する保険です。
基本の団信は、金融機関が保険料を払うため一般的に無料。特約を付けると保険料がかかりますが、保障内容が手厚くなります。
保険料は金利に上乗せして利息で返済する仕組みです。
各金融機関によって保障の内容や保険料が変わるので、住宅ローンを決めるときは団信の内容も比較することをおすすめします。
団信は残された家族のために、住宅ローンの残高を残さずにマイホームだけを残すとてもありがたい保険です。
団信の特約タイプは大まかに以下に分かれます。
・がん特約
・3大疾病
・8大疾病
・ワイド団信
それでは一つずつ解説します。
・がん特約
保険料:目安0.1%〜0.2%
死亡に加えて、がんと診断されたときに残高が0円になる保障が一般的。
金融機関によっては、残高保障だけでなく診断時や先進医療に対する給付金、対象外であることが多い上皮内がんや皮膚がんも保障されるものもあります。
がん保険を見るときのポイントは、給付金があるか、上皮内がんが保障されるかどうかです。以下のデータは、がん患者の5年生存率とがんの治療費をあらわしています。
5年生存率とは、がんにかかった人の中で5年後に生存している人の割合です。状況によっては、がんは治療をすれば治る病気となってきています。
そして、がんの治療を続けていくには長期的にまとまったお金が必要。
そんな時に住宅ローンの残高保障だけでなく給付金が出れば、家計がとても助かります。
また、がんのごく初期である上皮内がんは保障対象外のことが多いですが、中には給付金などで保障される保険もあるので、比較する時の参考にしてくださいね。
・三大疾病
保険料目安:0.25%〜0.3%
取り扱い金融機関の例:りそな銀行
死亡に加えてがん、心筋梗塞、脳卒中に対して保障されます。たとえば、以下のような要件で残高を保障。
・がんと確定された
・心筋梗塞の初診から60日以上労働制限された、または手術を受けた
・脳卒中の初診から60日以上後遺症などが継続したと診断された、または手術した
また、三大疾病の後遺症で介護状態や身体障害状態なることもあるため、介護や身体障害に対して保障されるものもあります。
三大疾病の特約で目をつけるポイントは、心筋梗塞、脳卒中の要件詳細を確認することです。
金融機関の公式サイトトップページには、わかりやすくするために「診断されたら保障」と記載があることが多いです。
しかし、実際に要件の詳細を確認すると、所定の状態が60日以上続いた場合と記載があります。
手術や治療でお金がかかるのに、要件によっては保障されないこともあるので注意。
・8大疾病
保険料目安:0.3%
以下の疾病を保障する特約です。
がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、すい炎
保障内容は以下のようなものがあります。
・がんと診断された時や、心筋梗塞・脳卒中で所定の状態が60日以上続いたら残高0円
・所定の疾病で1ヶ月以上就業不能になった時、毎月の住宅ローン返済額を1年間保障
8大疾病は誰にでも起こり得る病気で、たとえば以下のようなものが疾病の原因になります。
喫煙、飲酒、肥満運動不足、ストレスなど
この特約は、大きな疾病だけでなく、病気やケガでの入院でも返済額が保障されるなど保障範囲の幅が広いことがメリット。
・ワイド団信
保険料目安:0.2%〜0.3%
取り扱い金融機関の例:三菱UFJ銀行
持病や健康上の理由があり、通常の団信に加入できない人向けの保険です。通常の団信のように、死亡や寝たきりなどの状態の時に残高を保障します。基本の団信の内容なのに保険料がかかるという負担はありますが、健康に不安がある人ほど、保険は必要です。
住宅ローンの団信について知っておくとためになる【注意点3選】
ここでは、団信の以下の注意点3選について解説します。
注意点①特約は後から追加することができない
注意点②健康状態によっては加入不可
注意点③8大疾病など幅広く対応する保険は、一つずつの支払い要件が厳しい場合がある
団信の特約は後から追加することができないため、住宅ローン契約時に検討する必要があります。
住宅ローン契約時に、健康なので必要ないと感じて特約を付けなかった場合、10年後に健康状態が悪化して民間の保険にも加入できない可能性も。
若くて健康な時に必要がないと感じても、念のため加入しておいた方が安心です。
また、健康上の理由で団信に加入できない場合、団信加入が任意のフラット35 を検討しましょう。
最後に、前章で解説した8大疾病など保障範囲が広い保険は、一つ一つの支払い用件が厳しい可能性があります。
がん特約のように特定の病気を手厚くするのか、8大疾病のよう幅広く保障を持つのかは悩みどころですね。
親戚にがんが多いからがんを手厚くするなど、あなたの健康状態や意向を考慮して、あなたに合った特約を選択しましょう。
合わせて読みたい記事