「自分は年収の何倍のマイホームを購入できるのだろうか。」
年収別マイホーム購入額の平均や、購入額を決めるときの計算方法などについて解説します。
マイホームは年収の何倍は時代遅れ?
一般的に、マイホームの金額は年収の5倍くらいと言います。
年収400万の人の場合、マイホーム購入額の目安は2,000万ほど。
年収5倍のもとは、1992年の政府の政策「生活大国5カ年計画」。この政策では、国民が豊かだと実感できる国家づくりを目指すため、住宅問題の解決策が行われました。
当時はバブルの影響で地価が高騰し、一般の人のマイホームは困難でした。そこで政府は、一般の人も年収の5倍程度のマイホームを手に入れられることを目指しました。
しかし、当時と現在では金利や融資などの条件が全く違うため、年収の5倍という数字はあくまでも目安にしかなりません。
マイホーム購入額の目安は、家庭の支出状況、ライフプラン、貯蓄額などによってさまざま。また、戸建てかマンションか、どこで探すか、どんな広さがいいのか、新築か中古かなど諸条件によっても相場は変わります。
年収の何倍という単純な計算ではなく、まずは家庭の状況に合わせていくら準備できるのか、どんなマイホームを希望しているのか検討。そして、無理なく返済できる金額を設定することが大切です。
【購入者の実態】マイホーム購入価格は年収の何倍?
実際にマイホームを購入している人の購入価格は、年収の何倍なのでしょうか。全国宅地建物取引業協会連合会の調査結果をもとに解説します。
この調査は2017年に行われたもので、2014年以降にマイホームを購入した人が対象です。
年収別のマイホーム購入価格【戸建て・マンション】
以下の表は、年収別の戸建、マンション購入価格を表したものです。
年収別戸建ての住宅取得金額の平均(単位:万円)
あくまでも平均ですが、年収の3〜7倍くらいでマイホームを購入する人が多い傾向にあります。
また、全体的に年収の4〜5倍が多い傾向にあるため、年収5倍とは現実的な数字であることは確かです。
ただし、前章で解説したように家計状況は各家庭でさまざま。年収の何倍かだけでなく、家計状況を考慮する必要があります。
家計に合わせて借入目安金額を計算する方法
マイホームの借入金額を計算するには、現在の住宅に関係する支出と、将来の貯蓄を基準に考えます。
例:Aさんの場合
現在の住宅に関する支出10万と将来のための貯蓄5万、合計15万の支出がある。
現在の住宅に関係する支出と貯蓄(合計15万)
上記の合計金額15万はそのままだとして、住宅ローン返済額を逆算します。マイホーム(戸建)の場合は修繕積立や固定資産税が必要。
固定資産税は毎年1/1時点で持っている不動産に対してかかる税金で、税額は、マイホームの価値によって変わります。ここでは1ヶ月分(仮)を記載しています。
マイホーム購入後
※計算式 住宅ローン返済額=15万ー(A)
計算すると、住宅ローンに充てられる金額は毎月8万。毎月の目安が計算できたら、あとは金融機関のシミュレーションを使って計算します。
例えば毎月9万の返済を30年間、変動金利0.475%で行った場合、借入額は目安は2,680万です。
もしも借入額が少ないと感じたら毎月の貯蓄を減らしたり、無駄な出費がないか家計を見直し、住宅ローン返済に充てられる額を捻出します。
先ほどの条件のまま住宅ローン返済額を10万円にすると、借入額目安は3,350万となり、予算が670万アップします。
【注意点】マンションは共益費かかる
住宅ローン返済額を計算する際に気をつけたいことは、マンションの共益費。共益費とは、エレベーターやゴミ置き場などの共用スペースを管理するために必要な費用です。
現在、住居に関する支出が7万円の場合、マンションでは共益費を含めて7万円にしなければ、マイホーム購入後に家計が苦しくなってしまいます。
マイホーム購入価格は地域別でも差がある
マイホーム購入価格は、地域で大きな差があります。以下は、地域ごとのマイホーム購入価格をまとめたもの。
地域別の購入金額平均(単位:万円)
特にマンションでは地域差が大きく、最も高い首都圏と最も低いその他地域では約2倍の差があります。
マイホーム購入の際は、どの地域で購入するかも検討材料の一つです。
まとめ
今回は、マイホーム購入価格と年収の関係性について解説しました。よく耳にする目安は年収の5倍であり、平均的にも年収の4〜5倍程での購入が一般的です。
しかし、購入価格を検討するときは、家計の状況をしっかりと計算し、無理のない返済額を設定することが大切です。
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