「住宅ローン控除はどうやって計算するの?我が家はいくら控除できる?」
消費増税の負担を軽くするために作られた、節税できるお得な制度。節税できるのはわかるけど、実際にいくらお得になるのかちょっととわかりにくい…
しかし、一度計算方法や仕組みを知れば、難しいことはありません。今回は、住宅ローン控除の解説をしていきます。
【一度わかれば簡単!】住宅ローン控除の計算方法を解説
住宅ローンの年末残高に応じて、一定額を控除することで節税することができる住宅ローン控除。
消費増税の負担を軽くするための制度ですが、令和3年12月31日までにマイホームに入居した人が対象となります。
それでは、具体的にこの控除はいくらお得になるのか見ていきます。
以下は、計算方法や適用年数をまとめたものです。
出典:国税庁
ポイント
①適用年数は入居日によって変わる
②計算式は住宅ローン残高×1%
③控除しきれなかった分は住民税から控除
④控除額上限40万
たとえば、年末の借入残高が3,000万〜5,000万の場合、控除額は以下の通りになります。
5,000万の1%は50万ですが、上限が40万のため控除額は40万です。
また、所得から控除する仕組みのため、所得が低いほど恩恵を受けられません。
たとえば借入残高が3,500万の場合、控除額は35万ですね。
①所得税が40万の人は全額控除
②所得税30万、住民税12万の人は住民税から5万控除して全額控除
③所得税20万、住民税10万の人は5万分控除不可
所得が多い人は税額も多いため控除できますが、所得が低い人ほど税額が少なく、控除の恩恵を受けにくいんです。
その格差を埋めるために、「すまい給付金」という制度があります。
以下は、消費増税による負担とその差を埋める給付額のイメージ図です。
出典:国土交通省 すまい給付金
すまい給付金は所得によって給付額が変わり、消費税8%の場合、収入額目安510万以下の人へ最大30万、消費税10%の場合、目安所得額775万以下の人へ最大50万の給付。
ちなみに、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は、計算が変わります。
これは、バリアフリー、耐震、高い省エネ性能など環境に優しく優良な物件に対して、上限50万まで控除する仕組みです。
出典:国税庁
基本的な計算方法は同じですが、上限が50万になり、通常の住宅ローン控除と併用はできません。
バリアフリーや省エネなどの、長く住むことができて高い性能を持つ住宅なら、老後まで快適に過ごすことができますね。
国は質の良い住宅に対して支援を積極的にしているので、これから家を建てる予定の人は、不動産屋さんに認定長期優良住宅について確認してくださいね。
住宅ローン控除の認知度は?一般的な知識と理解度を解説
前章では住宅ローン控除はどうやって計算するのかを解説しましたが、一般的に認知度はどれくらいでしょうか。
住宅ローン控除の概要について、言葉も内容も知っている人は70%と言いう結果があります。
(出典:株式会社リクルート住まいカンパニー 住宅購入・建築検討者調査)
住宅を購入予定の70%が理解していることから、関心が高いことがわかりますね。
ただし、概要の認知度はありますが、詳細まで知っている人は以下の通り、約半数。
出典:株式会社リクルート住まいカンパニー 住宅購入・建築検討者調査
この制度は新築のみと思う人が多いようですが、実は中古やリフォームでも基準を満たせば控除を受けられるんです。
中古物件を現在持っている人や検討している人も、積極的に活用してみましょう。
また、前章で解説したように、長くいい状態を保てて環境に優しい、質の高い家は住宅ローン控除も優遇されます。
住宅ローン控除は10年適用されるので、最大500万の控除は大きいですよね。
特に省エネなどの住宅を建てると控除額が上がることについては、認知度が低い傾向。
注文住宅を予定している人は、参考にしてくださいね。
住宅ローン控除を受けるには、初年度は会社員の人でも確定申告をする必要があります。
自分で申告しなければ受けることができないので、マイホームを購入する予定の人、買ったばかりの人は忘れずに申告しましょう。
このような制度は使わないともったいないですよね。積極的に利用して、賢く節税してくださいね。
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