住宅ローンの審査前後の転職タイミングについて解説します。
持ち家選びの中で念頭に置いていただきたい部分なのでインプットしていただければ幸いです。
住宅ローンの契約はいつから有効?転職のベストなタイミングは?
マイホーム購入時に利用する人が多い住宅ローンは、融資額が大きいだけに、申し込みから融資実行までいくつかの工程に分かれます。
前々から転職を考えていた人の中には、融資実行まで待てずに審査通過したらすぐにでも転職したいと考える人もいるのではないでしょうか。
一昔前と比べて、転職をすることはに対して前向きに考える人は増えています。
転職サイトでおなじみのマイナビ転職の調査では、「転職は前向きな行動であると回答した人は68.3%(2019年)。
この割合は年々増えていて、2016年から約10%増加。(出典:マイナビ転職動向調査2020年版)
転職は必ずしもマイナスなものだけではなく、年収やスキルアップ、経験を積むためのステップアップと捉える人が増えています。
しかし、住宅ローンの融資を受ける予定の人は、融資実行後までは転職を控えるべきです。
住宅ローンの融資実行までの大まかな流れは以下の通りになります。
住宅ローンは、以前は要もの契約と呼ばれる契約でしたが、2020年4月に法改正されて、現在は諾成契約というものに変わりました。
以下の図は、法改正によって変更した契約成立のタイミングを解説したものです。
要もの契約とは、契約締結だけでなく、契約の目的を引き渡すことで契約が成立するものです。住宅ローンの場合、融資を受けた時に契約が成立します。
しかし、2020年4月に法改正されたので、現在は書類を交わした時点で契約が成立へ変更。
以前は融資実行されなければ契約成立とならないため、契約から融資実行までに事情が変わった場合、銀行側が融資をしないということも可能でした。
現在は、法律上では契約書を交わした時点で契約が成立するため、契約の効力は書類での合意をした時点で有効です。
しかし、契約が成立しているからといって契約後に転職した場合、審査した内容と異なるため、再審査になることもあります。
融資実行されずに残金決済できなければ、マイホームの引渡しどころか契約は白紙になってしまいます。
そのため、住宅ローンの融資実行後のタイミングまでは、転職をしない方がいいでしょう。
住宅ローン審査中はなぜ転職NGなタイミング?ばれる理由は?
住宅ローンの融資を受ける人が審査中に転職することはNGです。
仮に審査通過してから転職した場合、審査の内容と違うため再度審査が必要になり、場合によっては住宅ローンを受けられず、不動産契約解除になります。
転職は言わなければばれないと思う人もいるかも知れませんが、金融機関への提出書類として、健康保険証を求められることがあります。記載されている取得日でいつ入社したのか判断可能です。
国土交通省の調査では、審査で勤続年数を考慮している金融機関は95.7%。
( 出典:国土交通省 民間の住宅ローンに関する調査)
再審査となれば、審査が厳しくなります。
また、不動産の契約時には、手付金を支払うこと必要です。
手付金は、契約後にキャンセルした場合の違約金になります。しかし、住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、手付金は返還される仕組みです。
この制度はローン特約と言います。
ただし、このローン特約は自己都合で転職した場合は適用されずに、手付金は戻ってきません。マイホームを取得できないだけではなく、違約金を取られてしまう可能性もあるんです。
以上のことから、住宅ローンの審査中は転職NGのタイミングです。融資実行を受けてマイホームを無事に取得できるまでは、転職は控える方が賢明です。
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