新型コロナウイルスの流行がまだ収束していないけど、今マンションを買おうかどうか迷っている。今買っても大丈夫か?
そんなコロナの流行は、マンション購入にどう関係しているのでしょうか。購入をコロナの流行前から考えていた人にとっては、今買うべきなのか悩むところですね。
今回は、マンション購入に対するコロナの影響について解説していきます。
マンション購入におけるコロナの影響①成約率の減少
今後、不動産の価格が一気に下がるのではないかと考えている人は多いです。確かに価格は下降気味ですが、コロナの影響ですぐに価格が暴落するとは考えにくいと言えます。
参考になるのは、リーマンショックの時。リーマンショックは、アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したことを皮切りに起きた、世界的危機です(2008年9月)。
当時、不動産価格は一気に暴落するのではなく、半年〜1年かけて少しずつ下がりました。
不況で人々の収入は減り、不動産を買うどころではなくなったこともあり、成約件数は減少しました。当時と同じように、現在不動産業界で起きていることは、マンション購入者の減少。
2008年9月以降、日本でも日経平均株価が暴落しました。しかし、不動産は金融商品に比べて市場での取引数が少なく、売り手はできるだけ高値で売りたいのが本音です。
それとは逆に、買い手はできるだけ安く購入したいので、結果として契約数が下がりました。
以下のグラフは、中古マンションの成約件数の前年比推移を表したものです。2008年9月以降の前年比は、マイナスとなっています。
そして、コロナの影響で株価が大暴落した2020年2月以降も、契約件数は下降していることがわかります。
不動産研究所によると、2020年3月・4月は2ヶ月連続で前年比を下回り、4月は前年比△52.6%とのことです。
出典:不動産総合研究所
コロナの影響で、成約件数が大幅に減ってしまいましたが、成約件数が減ると売り手はどうにか売ろうと考え、価格を安くする動きに。次の章では価格の低下について詳しく解説していきます。
マンション購入におけるコロナの影響②価格の低下
成約件数の減少後に起こるのは、購入価格の低下。以下のグラフは、中古マンションの1m2あたりの単価推移を表しているものです。
出典:不動産研究所
2008年のリーマンショック後、緩やかですが下降気味です。今回がリーマンショックと違う点は、2013年のアベノミクス以降、上昇気味だった価格が、コロナの影響で一気に低下してしまったことです。
コロナの影響では、急激に価格が低下していますが、さらに価格が低下するまで、マンション購入を待つべきなのか。全てのマンション購入価格が今後も低下するのでしょうか。次の章で、詳しく解説。
【コロナの影響から考察】マンション購入の時期について
相場は下降気味ですが、今後も急激に何もかもが安くなるとは考えにくいと言えます。中古マンションの場合、マンション購入の価格は土地の値段や需要などで変わります。
しかし、新築マンション購入価格の場合、資材の仕入れ価格・人件費など建築にかかったコスト次第です。つまり、売り手はそう簡単に大幅な値下げはできないんです。
大幅な値下げになる場合は、売れ残ってしまった物件や、売り手がすぐに販売しなければ銀行への返済ができなくなってしまう場合などです。
コロナの影響で全てのマンション購入の値段が暴落したのではなく、このような物件が平均を下げていると考えられます。
全体的なコストや需要があることを考えると、都心部や立地の良い好条件の新築マンションは、すぐに大幅な値下げをされる可能性は低いでしょう。
もちろん、物件の特性や売り手の意向などにもよるため一概には言えません。しかし、1年待っている間に希望の物件がなくなってしまうリスクがあるのであれば、早めの購入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はマンション購入へのコロナの影響について解説しました。
まとめると以下の通りです。
・成約率が減少すると、マンション購入の値段が下がる
・リーマンショックの時、マンション購入の相場はゆっくりと下降して行った
・マンション購入の相場は下降気味だが、好条件の新築マンションは急激に下がるとは考えにくい
新型コロナウイルスはいつ収束するのか、収束後にどうなるのかはわかりませんし、経済は大きいなダメージを受けていることは明らかです。
ただ、不況=全てのマンション購入の値段が急に下がるとは限らないと言うことを、理解しておくことが大切です。
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