賃貸住宅に住み続ける方が良いのか、持ち家に住むべきかはどちらも本がベストセラーになるほどの永遠のテーマです。
老後に後悔しないためにもあらゆる角度からメリットとデメリットを比較して検討することが大切です。
住み方と収入の関係
総務省統計局の「世帯の居住状況とその推移」によると、世帯年収が700万円以上の場合、持ち家比率が8割を超えるという結果が出ています。
平均持ち家比率は、約6割ですから収入が増えると持ち家率が上がるといえます。
持ち家率
基本的には持ち家は、住み心地に対して大金を投じているため耐震性・防音性に優れた造りの住宅が多い傾向です。賃貸の場合も最近では贅沢な物件が増えてきましたが、賃料はかなり高額です。
月々の返済金と家賃が同じ額であれば、一般的に持ち家の方がクオリティーが高いといって間違いありません。自分自身の家に住んでいるという安心感もあります。
税金がかかることなどを考えても自分の家に住むメリットはかなり大きいものと感じられます。
しかしそれぞれのライフスタイルなどで、必ずしも持ち家の方が良いというわけではありません。ご自身のライフプランを合わせて考えてどちらにするかじっくり考えていきましょう。
出典:「世帯の居住状況とその推移」(平成20年)総務省統計局
賃貸と持ち家の比較:6つのポイント
賃貸にも持ち家にもメリット・デメリットがあります。その中でご自身にとって何が大切なのかを考え、このデメリットは我慢できる、このメリットはなくても良いというように選択していくと、賃貸に住み続けるか持ち家にするかがはっきりと見えてきます。
6つのポイントに関して賃貸と持ち家を比べた結果を表にまとめました。
①ローン返済と家賃
持ち家の場合、一般的にローンを組んで購入することがほとんどです。そのため、完済するまでは毎月ローン返済をしなくてはいけません。このとき、月々の返済金をその時支払っている賃貸料と比べて支払える金額からローンを組むことがほとんどです。
そのため、月々の返済金と家賃支払いはほぼ同額といっても良いでしょう。
マンションの場合は、ローンの返済金の他に月々の管理費や修繕積立金を支払う必要がありますから、この金額も考えてローンを組むべきでしょう。
また固定資産税と住むエリアによっては都市計画税が発生します。
賃貸の場合は更新料が2年に1度、また引越しをすると礼金・敷金がかかります。これは地域によっても異なりますし、最近では礼金・敷金のない物件も増えてきました。
こうやって見ると持ち家の方が支出が多いように感じられます。
また賃貸住宅にしろ、持ち家にしろ、住宅のグレードなどによって条件が異なるため、単純に比較できることではありません。
ただ、1点だけ確実なことは、持ち家なら完済した後の返済金は無くなりますが、家賃の場合は一生支払い続ける必要があることです。
ですから老後に収入が少なくなった場合のために家賃分の貯金が用意しておかなくてはいけません。
②メンテナンス費用
修繕・メンテナンスは当然ながら持ち家の場合は自分でするしかありません。一方、賃貸住宅の場合、設備が壊れたら大家さんに連絡すれば修理、または買い替えをしてもらえます。
もちろん、賃貸でも退去の際に現状回復義務がありますが、ほぼ敷金でクリアされることがほとんどです。
③リフォームやアレンジの楽しみ
メンテナンス費用がかかるということは、自分が好きなようにリフォームも可能ということでもあります。ウォシュレットやお風呂の機能などをグレードアップしていけます。
また好きなときに壁紙を張り替えたり、間取りを変えたりして気分転換も可能です。原状回復を条件にリフォームをしても大丈夫という賃貸住宅もあります。
しかしやはり持ち家ほど自由にはできませんし、自分のものではないのでお金もあまりかけたくないというのが実情です。
④資産
持ち家の場合は、資産が残りますが、賃貸住宅は払い続けても、まったく何も残りません。当然のことながら、住宅は経年劣化によって少しずつ資産価値は下がっていきます。
しかし0になるわけではありません。
土地付きであれば資産価値は維持しやすいといえるでしょう。また将来賃貸に出すことを考慮して、老後は相続した実家に引っ越して、家賃収入で暮らすということも考えられます。
また老後にタイやバリなどで数年過ごそうと思っている人も、その間持ち家を賃貸に出して収入を得ることも可能です。
⑤住み替えの自由度
急に決まった転勤、収入が少なくなった、隣人との関係がわずらわしいなど、住み続けることが困難になった場合に、住宅を自由に選択できるのが賃貸住宅に住むメリットです。
この点、持ち家の場合は住み始めて10年程度で売却しようとすると、購入価格より安い値段になる場合がありローンが残ってしまうリスクがあります。
対策としては、駅に近いなど利便性の高い賃貸しやすい物件を購入することです。
⑥万一の世帯主の死亡時
世帯主が万が一亡くなってしまったという場合、持ち家の場合は団信契約をしているためローンの返済は無くなります。
つまり残された家族はローンを返済する義務がなく、そのまま持ち家に住み続けらることが可能です。しかし賃貸の場合は、残された家族が家賃を払い続けなくてはいけません。
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