「自営業は賃貸とマイホームどちらがいいのか。」
持ち家がいいか賃貸がいいかは、現在の収入状況によります。しかし、老後のことを考える場合は持ち家の方が安心。また、持ち家の場合、経費計上で節税も可能です。
今回は、自営業は賃貸と持ち家についての解説です。
【自営業の賃貸VS持ち家】判断基準は現在の収入
自営業の場合、住宅の持ち方は以下2つわかれます。
・職場と住まいが別の場合
・自宅=職場の場合
職場と住まいが別の場合、プライベートと仕事を分けることができますが、賃料や光熱費などの経費が余計に必要です。
一方で自宅=職場の場合は経費の節約ができますが、プライベートと仕事を分けにくいというデメリットがあります。
自営業で持ち家か賃貸かを考える時に、まず考えたいのは現在の収入についてです。
もしも事業を始めたばかりで収入が安定していないのであれば、初期費用が少ない賃貸が安全です。
持ち家を購入するには住宅ローンを利用する人が多いですが、購入には物件価格の他に税金や事務手数料などの諸費用がかかります。
しかし、初期費用は賃貸よりもかかりますが、将来的には持ち家にすると老後も安心です。
将来的に持ち家がおすすめな理由は、次の章で解説します。
【自営業の賃貸VS持ち家】将来的に持ち家がおすすめの3つの理由
自営業の人が将来的に持ち家を持つべき理由は、以下の3つです。
①転勤の可能性が低く、持ち家を購入しても仕事に影響がない
②国民年金のみの人が多く、会社員よりも年金が少ない
③自宅兼職場の場合、経費に計上できるものが多く節税できる
①転勤の可能性が低く、持ち家を購入しても仕事に影響がない
賃貸派の人の意見として、持ち家を購入すると気軽に引っ越しできないというものがあります。
持ち家を購入する人の多くは住宅ローンの借入をしますが、25年や30年の長いローンを組む人も少なくありません。
会社員の場合、全国に支店がある企業は返済期間中に転勤の可能性もあり、転勤の度に簡単に引越しをすることが難しいです。
しかし自営業の場合、PCで仕事をするエンジニアやライター、支店をかまえない飲食店の場合は引越しをする必要がなく、持ち家のデメリットが気になりません。
②国民年金のみの人が多く、会社員よりも年金が少ない
持ち家のメリットの一つは、老後の住居費がかからないことです。
特に自営業の人は、個人年金に加入していない限り国民年金のみのため、会社員の人よりも年金受給額が少ない可能性があります。
自営業の場合、会社員と違って自分ができるかぎり事業を続けることが可能です。
しかし、いつまでも現役と同じくらい働くには限界があるため、できるだけ早く老後に備えておくことが大切。
賃貸と持ち家では、老後の出費にどれだけ違いがあるのか、以下の試算で解説します。以下の表は、65歳から30年間の持ち家と賃貸の費用を比べたものです。
前提条件:持ち家の住宅ローン返済はすでに完済。
※更新料は2年に一度、家賃の1ヵ月分
※駐車場、固定資産税、管理費は月1万と仮定
試算の結果、賃貸と持ち家では大きく差があり、月額にすると戸建ては月2万に対して賃貸の駐車場ありの場合は6.2万の出費です。
もちろん戸建ての場合は、建物の老朽化が進めば大規模なリフォームが必要になります。
しかし、賃貸の場合も引越しをすれば敷金礼金、引越し代などの諸費用がかかり、さらに出費が増えます。
戸建てでできるだけ老後の住居費を抑えるには、早いうちから修繕積立をすることが必須です。
上記のように、老後に月5万の賃貸で生活する場合、生きている限りその他費用を含めて毎月6万の出費があることは、とても苦しいですよね。
老後に安心して余裕を持った生活ができるために、自営業の人は早いうちに持ち家を購入し、ローンを完済することをおすすめします。
③自宅兼職場の場合、経費に計上できるものが多く節税できる
自営業で自宅兼職場の持ち家の場合、仕事で必要なスペースを明確に証明できれば、その分の床面積比率を用いて経費計算することが可能です。
経費に計上できるものは、以下のようなものになります。
例:家賃、水道光熱費、通信費、固定資産税、住宅ローン利息、火災保険料などの住宅の損保、収入印紙代など
経費に計上することができれば、その分の課税対象を減らして節税が可能です。
自宅と職場を同じにすれば、職場の賃料を別に支払う必要がないだけでなく、交通費もかからず、通勤時間も必要ありません。
あなたが自営業の場合、将来のことも考えて、賃貸ではなく持ち家を検討してみてはいかがでしょうか。
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