「我が家も住宅ローンの返済はボーナス払いにするべきなのか。」
ボーナス払いを利用している人の割合は約4割です。ボーナス払いは返済期間を短縮できることから、とても魅力的。しかし、利用するかどうかは長所・短所を理解した上で判断しましょう。
今回はそんなボーナス払いについての解説です。
住宅ローンのボーナス払いは約4割!関西でのボーナス払いは少数派?
住宅ローンは毎月1回、年12回支払うことが一般的ですが、それに加えてボーナスを利用した返済も可能。
ボーナス払いは月払いとは分けて返済する仕組みで、利息の計算も月払いとは別々です。
たとえば3,000万の住宅ローンを借り入れる場合、それぞれの返済する割合を決めます。
仮に3,000万のうち、3割をボーナス払いにする場合、2,100万のローンと900万のローンを並行して返済する仕組みになります。
それでは、住宅ローンのボーナス払いを選択する人はどれくらいの割合でしょうか。以下は株式会社MFSの調査結果です。
出典:株式会社MFS 「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」に関するアンケート調査
上記から、約4割の人がボーナス払いを選択していることがわかります。ただ、関西地方は他の地域に比べて、事情が違うようです。
同調査によると、関西の比率は他の地域に比べて低く、21.1%だったとのこと。関西地方の人は他の地域の人よりも、ボーナスをあてにせずに毎月コツコツと返済する傾向のようです。
住宅ローンのボーナス払いは短期完済がメリット【検討は慎重に】
ここでは、住宅ローンをボーナス併用払いにする長所・短所について解説します。
まずは以下のシミュレーションを見てください。
①3,500万のマイホームを購入し、月払いのみと賞与で返済した場合の比較
②毎月の返済額が同じ場合、月払いのみとの借入期間の比較
シミュレーション①は、借入期間と借入額が同じ場合、月々の返済額と利息に違いがあります。月払いのみは最も月々の返済額が多く、利息が少ないという結果でした。
ボーナス払い40%にした場合、月々の返済額は月払いのみと比較して4.2万少なくなりました。ボーナス払いにすると、月々の負担を軽減できることがわかりますね。
シミュレーション②では、総返済額と月々の返済額が同じ場合、返済期間に違いがありました。当然ですが、ボーナス払いの方が年間の返済額が多くなるので、早く完済可能です。
以上のことから、ボーナス払いを選択するメリットは、下記です。
・借入期間が同じ場合、月々の返済額を抑えられる
・月々の返済額が同じ場合、借入期間を短縮できる
実際にボーナス払いを選択する人は、上記のメリットを活用しています。
出典:株式会社MFS 「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」に関するアンケート調査
上記のように、ボーナス払いを選択する人は、定年後のことを考えて早めに完済したい人と、毎月の負担を減らしてボーナスで一気に返す人が約85%を占めています。
マイホームは住宅ローンを完済するまでが大変ですが、完済してしまえば、賃貸よりも住居費の負担を軽減することが可能。
また、先ほどのシミュレーションのように、毎月数万円、負担を減らすことができます。
一方でデメリットは、下記です。
・支払い回数が少ないため、利息が多くなる
・賞与がなかった場合の返済負担が大きい
先ほどのシミュレーション結果①のように、ボーナス払いにすると、利息が数万円多くなってしまいます。
これは、利息が残高に対してかかるものだからです。
賞与では一度に多く返済しますが、年に2回のみのため、元本が減りにくく月払いよりも多く利息が発生してしまいます。
数万円の差であれば気にならないという人も、会社の業績不振のリスクも考えることが必要です。
株式会社GVの調査では、2020年の夏の賞与支給がなかった人の割合は26.9%、4割以上の人が前年の受給額よりも減額しています。
また、同調査で冬の賞与に期待できないと回答した人は全体の70.1%でした。
(出典:株式会社GV 2020年 夏ボーナス調査)
さらに、30代でボーナス払いに後悔している人は3.5人に1人という調査結果もあります。
出典:株式会社MFS 「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」に関するアンケート調査
新型コロナウイルスの影響で、今後も業績不振で賞与をカットする会社が増える可能性も考えられます。
長期の住宅ローン返済を確実に完済できるように、しっかりと検討してくださいね。
合わせて読みたい記事