「住宅ローンはボーナス払いできるのだろうか」
住宅ローンはボーナス払いをすることができます。ただし、ボーナス払いを利用するかどうかは、仕組みや短所をよく理解してから決めるべきです。
今回は、住宅ローンのボーナス払いの仕組みや、長所・危険性などについて解説します。
住宅ローンはボーナス払い可能!通常払いとの違いをシミュレーション
住宅ローンのボーナス払いは、厳密に言うとボーナス併用払い。通常の住宅ローンは、毎月1回×12ヶ月を自分で決めた返済期間支払います。
ボーナス払いにする場合、年12回に加えて、ボーナスの月に設定した額を支払っていく仕組みです。
ボーナス払いをする場合、月々の返済分と、ボーナス払いの返済分の二つのローンを併用して支払っていくと言う構造になります。以下は、ボーナス払いをした場合の仕組み図です。
4,000万の借入をした場合、毎月払い60%、ボーナス払い40%などそれぞれの支払額を設定し、二つのローンを返済していきます。
それでは、月払いのみとボーナス払い併用では、支払額がどう違うのかシミュレーションしましょう。今回は、auじぶん銀行のシミュレーションを使用。
条件①変動金利
条件②固定金利
上記の結果より、ボーナス払いでは月々の返済額が抑えられる一方、総返済額が若干高くなることがわかります。
それでは、どれくらいの人がボーナス払いを利用しているのでしょうか。
オンライン住宅ローンサービスを運営している株式会社MFSでは、「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」に関するアンケート調査を実施しました。
出典:https://www.mortgagefss.jp/pressrelease/1052/
同調査によると、ボーナス払いの利用者は全体の約4割で半数以下です。
また、先ほどのシミュレーション結果で分かる通り、住宅ローンのボーナス払いのメリットは、月々の返済が減ること。そして、年間の返済額が増えるので返済期間も短縮可能。
このメリットは、住宅ローンでボーナス払いを選択する人の大きな理由となっています。
出典:https://www.mortgagefss.jp/pressrelease/1052/
毎月の支払いをできるだけ減らしたい人や、定年後の返済に不安を感じている人がボーナス払いを選択する傾向にあります。
【住宅ローンのボーナス払い】返済期間を短縮する代償とは?
住宅ローンをボーナス払いにするデメリットは、以下2選。
デメリット①総返済額が増える
デメリット②ボーナスを支給されなかった場合の負担が大きい
住宅ローンの利息は、残高に対して発生。ボーナス払いは年2回のみのため、支払い回数が少なく、元金が減らずに利子が増えます。
また、万が一会社の業績不振などでボーナス支給されなかった場合、家計へ大きな負担がかかります。
特に今年は新型コロナウイルスの影響で不景気が続いており、ボーナス支給は確実とは言えない状況。以下のグラフは、2020年夏のボーナス支給状況を表したものです。
出典:https://kyodonewsprwire.jp/release/202007142031
同調査によると、支給なしの66.5%はコロナの影響を含む会社の業績悪化。また、以下のグラフはボーナス払いを後悔しているかどうかを表しています。
出典:https://www.mortgagefss.jp/pressrelease/1052/
後悔している人は全体の14%と少数派。ただし、コロナウイルスによる不況で今後、後悔する人が増える可能性はあります。
住宅ローンを数ヶ月滞納をすると、分割払いの権利を失い一括請求される仕組みです。支払いができなければ、マイホームを手放すことに。
もしも滞納しそうだと不安になった場合、まずは借入先の金融機関へ住宅ローンの借入条件の変更ができないか、相談しましょう。
金融庁は金融機関へ、住宅ローンの借入などの相談について柔軟に対応するように呼びかけているので、対応してくれる可能性があります。
また、金融庁は相談窓口を設置しているので、もしもの時に相談してくださいね。
出典:https://www.fsa.go.jp/ordinary/coronavirus202001/06.pdf
今回は住宅ローンのボーナス払いについて解説しました。ボーナス払いをすれば月々の負担を減らしたり、返済期間を短縮可能。しかし、ボーナス払いが本当に良い選択なのか、よく考える必要があります。
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