住宅ローン破綻について解説します。
マイホーム購入に関して大切な点なのでご参考ください。
住宅ローンの破綻率はどれくらい?破綻理由は?
住宅ローンの破綻率とは、ローンの返済が家計を圧迫し、家計が回らなくなった人の割合となりますが、これに対して明確な数字はありません。
しかし、金融機関は、リスク管理債権という数字を公表しており、破綻や延滞で回収できなくなった債権額は、住宅ローン全体の1.56%です。(出典:住宅金融支援機構)
1.56%と聞くと、あまり高い比率に感じませんが、総額で3,666億円です。
破綻とまでいかなくても、現在も住宅ローンの返済が負担になっている人は少なくありません。特に、ボーナス併用払を選択した人は、ボーナスの支給がなければ破綻する可能性も高まります。
以下のグラフは、ボーナス併用払いをしている人で、住宅ローンの返済が負担になっている人の割合です。
出典:株式会社MFS
ボーナス併用払が負担になっている人は、全体の67.5%になります。
まだまだ収束の目途が立たない、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化する会社は、これからも増えていくと考えられます。
2020年夏ボーナス調査では、2019年と比較して減額した人の割合は44.8%です。
(出典:株式会社GV)
ボーナス併用払には、早く完済できるというメリットがありますが、同時に支給がなかった場合のリスクを伴います。
住宅ローンで家計が破綻する理由は、
・返済負担率が高い
・生活環境が変化した
ことなどです。
返済負担率が高すぎると、余裕を持って返済することができず、破綻する可能が高まります。
返済負担率とは、年収に対する年間の返済額の割合です。以下のグラフは、国土交通省が公表しているものです。
出典:国土交通省
上記の調査によると、返済負担率平均は、どの建物でも20%以内に抑えられています。
しかし、金融機関によっては返済負担率が、30%や35%でも借り入れ可能な場合があるため、必要以上に借り入れないように、注意が必要です。
マイホームは購入後に維持費が必要になります。
毎年課税される固定資産税の他にも、マンションの場合、管理費が平均で毎月約1万円~1.5万円(出典:国土交通省)、戸建ての場合は修繕の積立金が必要です。
国土交通省の調査では、リフォーム資金の平均は241万というデータがあります。(出典:国土交通省)
また、住宅ローンの借入時に余裕があったものの、生活環境の変化によって返済が厳しくなることもあります。たとえば、転職や病気での収入減少、子供の成長に伴って養育費が増えたなどです。
借入時には、将来設計をしっかり立てて、支出が最も多くなる時期に合わせた返済額を設定することがポイントになります。
住宅ローンで破綻しないためには?
せっかく購入した夢のマイホームも、住宅ローンが原因で家計が破綻してしまえば本末転倒です。ここでは、すでに借入をしている場合と、これから借り入れる場合の予防方法の解説です。
すでに借入をしている場合、破綻しそうになったらすぐに借入先の金融機関へ相談しましょう。金融機関が、返済計画の相談に乗ってくれる可能性があります。
金融庁が、コロナの影響でローン返済に困っている人のために、金融機関へ柔軟な対応を要請しているのをご存知でしょうか。(出典:金融庁)
相談しにくい内容ですが、遅くなればなるほど事態は深刻になってしまいます。できるだけ早く相談してくださいね。
これから借入する人は、余裕を持った返済計画を立てることが大切です。現在の収支だけでなく、購入後の維持費や生活環境の変化など、万が一のことを考慮した上で予算を組みましょう。
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