年収600万の方のマイホーム選びについて解説します。
マイホーム購入に関して大切な点なのでご参考ください。
(1)年収600万円の場合、住宅ローンはいくらまで借りられる(固定金利)
マイホームの購入の際の参考に年収600万円の方が、どのくらい住宅ローンが借りられるかという点について本記事では解説します。
次のグラフは 国土交通省が令和元年度に金融機関に調査した、民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書の返済負担率の審査項目の上限値をヒストグラムにした図になります。
ここで返済負担率とは、収入に対するローン負担の割合を言い、金融機関が融資の審査を実施する際の重要な物差しになっています。
出典:令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書 国土交通省ホームページより
グラフからわかるように 金融機関の約半数近くが40%~35%を上限と回答しており、住宅金融支援機構の年収600万円の方の場合は、35%が上限値と規定されています。
この上限値を考慮すると、年収600万の35%の210万が年間の上限値です。
金利が最新の固定金利1.31%で35年間、元利均等返済で組むとすれば、5892万円まで借りられることになります。
しかしこの210万円の毎月の返済額に換算すると17.5万円になり、年収600万の方の税引き後の手取り想定額約40万円の収入から、毎月17.5万円もの住宅ローンを35年間の長期に渡って払い続けるのは正直しんどい筈です。
世間相場の返済負担率はどの程度なのでしょうか。
前述の住宅金融支援機構の調査によると平均値は約22%であり、この値で再度シミュレーションしてみましょう。
この場合は年間132万円、月に換算すれば11万円になります。
金利が最新の固定金利1.31%で35年でなく30年間、元利均等返済で組むとすれば、借入額は3273万円になります。
年齢35歳の年収600万円の方が、再雇用含めて定年65歳までの住宅ローンを組んだ場合に借りられる額は、フラット35では3273万円が平均的な額になるということです。
ただし、フラット35では、(と言いますか、一般の金融機関は大抵そうですが)頭金の有無で金利が変わります。
固定金利1.31%適用時には最低1割の頭金が必要ですので、この場合370万円程度の頭金が必要になり、マイホーム購入としての資金は3600万円台ということなります。
首都圏近郊のマンションや一戸建ても夢ではなく、手が届く妥当な金額ですね。
年収600万円の場合、住宅ローンはいくらまで借りられる(変動金利)
次に変動金利の場合を算出してみましょう。
同じく返済期間を30年とした場合、年収600万円の方は 昨今の金融商品の一般的な変動金利0.47%台での借入額上限が3990万円程度になります。
先程の固定金利の場合の平均的な借入額3273万円と比較して2割強借入額を増やすことが出来、一般に金利の値が低い分より多くの金額を借入可能です。
事実、先程の国土交通省の調査によると、例年約半数以上の方が変動金利を選択されています。
出典:令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書 国土交通省ホームページより
ただし、変動金利の最大のリスクは、金利の保証がない点であり、特に長期間の変動金利で賄う場合は金利が近い将来上昇した場合の返済リスク破綻が大きな懸念材料になります。
変動金利を選択する理由に、購入したい住宅金額を賄うためにできるだけ借入額を増やしたいという事情があるでしょうから、低金利の昨今、できるだけ早く繰り上げ返済することをすすめます。
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