マンション購入に関わってくるのが、確定申告時に行う住宅ローン控除です。
仕組みを知っていなければ、損をしてしまいがちな不動産契約。
大きな買い物ですから、できるだけ損をせずに得をする形を取りたいものです。
こちらの記事では、そのあたりをまとめていますので、ぜひご参考になさってください。
◆住宅ローン控除が受けられないこともある?
ローンを組んでマンションを購入すれば、誰でも確定申告時に住宅ローン控除が受けられるような気がしていませんか?
実は、住宅ローン控除には適用されない場合があるのです。
例えば、自分好みにリフォームされた中古マンションを手ごろな値段で購入したのに、なんと住宅ローン控除が受けられず、結果的には損をしてしまうという話があります。
こんな一例を耳にすると、マンション購入も住宅ローン控除のことを考えながら検討しないと不安になりますよね。
しっかりと住宅ローン控除をするための条件を確認しておく必要があります。
◆ところで住宅ローン控除って何?
住宅ローン控除という単語は、マンション購入を目指してからというものよく耳にするようになります。
とは言え、一体どういった制度なのかいまいちわからない人もあるでしょう。
住宅ローン控除とは、マンション等の物件を購入したり、リフォームをする際に、ローン残高に対応した金額が確定申告時に所得税より差し引かれることをさします。
さらに、所得税よりも控除額が多くなると、住民税から一定金額差し引かれることとなります。
<住宅ローンについてまとめ>
購入した家に入居した年から数えて10年間は、下記リストの中で一番低い金額が確定申告することで所得税から控除されます。
A:年末時における住宅ローン残高の1%
B:所得税額+住民税額(控除上限はある)
C:40万円
このリストをご覧いただければわかるように、10年間は最大40万円が税金から控除されるということになります。
10年の総合計は最大400万ということになりますから、バカになりません。
例外として、令和元年10月〜令和2年12月までに入居する人は、控除期間が13年間になっています。
◆住宅ローン控除を受けるのに条件があるの?
それではなぜ、住宅ローン控除が受けられない場合があるのでしょうか。
何か条件があるのでしょうか。
確認してみたいと思います。
まず、新築の場合の主な条件を見てみます。
1:床面積の1/2が自分の住宅であること
2:床面積が50平米以上240平米以下であること
3:借り入れをする人の所得が3000万円以下であること
4:ローン返済期間を10年以上にしていること
5:建築した日、または取得した日から半年以内に入居していること
上記が、確定申告をすると住宅ローン控除が受けられる条件となります。
さらに、中古物件を購入する人は、加えて下記のリストを満たす必要があります。
6:マンションや鉄筋コンクリートづくりの耐火建築物は、取得した段階で築25年以内であること
7:木造建築物などの耐火建築物以外は、取得した段階で築20年以内、もしくは耐震規準に準じていること
8:贈与や同一生計をしている親族から購入した物件ではないこと
これらについては、登記簿謄本で必ず確認しなければいけません。
●登記簿謄本ってどこでもらえるんだろう
先ほども記載した「登記簿謄本」ですが、普段は耳慣れない書類ですよね。
しかし、不動産売買においてはなくてはならないものです。
さらに、正式名称は登記事項証明書と言います。
登記簿謄本には、土地や建物に関するあらゆる情報がまとめてあります。
例えば、所在地や構造はもちろん、所有者、抵当権設定の記録、現状などです。
どこでもらえるかというと、2種類の方法が挙げられます。
一つ目は、法務局の窓口で直接交付をしてもらう方法、そして、法務局のオンライン申請システムを利用してオンライン請求をする方法です。
登記簿謄本を取得して、下記の条件をしっかりと確認しておきましょう
◆条件その1:床面積
実は、50平米以下のコンパクトなマンションを購入したりすると、住宅ローン控除の対象外になってしまうのです。
もう少し細かくいうと、床面積が50平米以上で240平米以下までの住宅でなければ控除が受けられないルールになっています。
さらに注意すべき点があって、不動産契約をした際の書類(売買契約書等)に記載されている面積と、登記簿謄本に記載されている面積の両方を確認しておくことです。
なぜかというと、床面積の測り方が2種類あるからです。
一つ目が「内のり面積」という測り方で、壁の内側から対角線状の内側までを測った面積を指します。
もう一つが「壁芯面積」といい、壁の中心から対角の壁の中心までを測った面積のことを言います。
実は、登記簿謄本に記されている面積は「内のり面積」を採用しているため、そもそも売買契約書で書かれている床面積が50平米ギリギリだとすると、登記簿謄本の面積では50平米以下になってしまうため、気をつけなければなりません。
◆条件その2:中古マンションにおける築年数と耐震基準
例えば、マンションなどの耐火建築物は、築25年以内で、木造の建物は築20年以内が耐用年数となります。
レトロで趣のある中古マンションは、値段の面でも魅力的ですから、ついつい検討物件として上がってきますが、しっかり耐用年数もチェックしておかないと、結果的に損をすることになります。
まず、耐火建築物かどうかは、登記簿謄本内の「構造」の欄を確認し、築年数を調べたいときは、「原因及びその日付」という欄を確認しておきましょう。
◆まとめ
このように、床面積で50平米以下の住宅の場合は住宅ローン減税の条件に合致せずメリットを享受できないことがわかりました。
もし広さで50平米前後の物件を迷われているのであれば上記点に注意しましょう。
しっかりと、条件を満たしているかどうかを確認して、お得にマンション購入をしたいものです。
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