「ローンが残っている持ち家を賃貸に出すことはできる?」
持ち家を購入する時、多くの人が住宅ローンの融資を受けます。35年間返済していく予定だったのに、急に事情が変わって引っ越すことに…そんな時は持ち家を賃貸に出すことが可能です。
今回は、持ち家を賃貸に出す時、ローン残高はどうなるのかなどの解説です。
持ち家を賃貸に出す時は住宅ローンでもOK?NGな場合の対処法は?
前提:住宅ローンを悪用して投資向けで賃貸に出すのは厳禁です
持ち家を購入する時、分譲戸建住宅では72.6%、分譲マンションでは68.1%の人が住宅ローンを利用するというデータがあります。(出典:国土交通省 住宅市場動向調査)
しかし、長い人では35年の返済期間がある住宅ローン。
長期の間、全国に転勤の可能性がある正社員や、予定していなかった親の介護などで引越しを余儀なくされることもあります。
そんな時に厄介なのは、住宅ローンに残高がある場合ですね。しかし、ローンが残っていても、持ち家を賃貸に出すことは可能です。
以下のように、持ち家を賃貸に出す選択をする人は意外と多く、全体の37.1%というデータがあります。
さらに、同調査で賃貸に出すを選択した人の72.1%は、自分の対応に満足していると回答。
ローン残高がある持ち家を賃貸に出すにはどうしたらいい?
それでは、ローン残高がある持ち家を賃貸に出したい場合はどうすればいいのでしょうか。
まず必ずしなくてはいけないことは、ローンの借入をしている金融機関に相談することです。
住宅ローン融資の使い道は、原則、契約者本人が住むための持ち家に対するものになります。
(金融機関によっては家族がOKな場合も有)
そして、一般的に投資用物件の融資に比べて金利が低い傾向にあります。そのため、第三者に貸しているのに住宅ローンの融資を受けている場合は契約違反です。
金融機関の許可なく契約違反をした場合、一括返済を求められます。
そこで気になるのは、金融機関に相談したら、どんな場合でも住宅ローンで賃貸に出すことができるのかどうか。
住宅ローンを継続できるケースは?
住宅ローンのまま持ち家を賃貸に出すことが許される条件は金融機関によりますが、たとえば以下のような場合です。
・急な転勤、親の介護などやむを得ない事情がある
・賃貸に出すのは一時的なものであり、戻ってくる予定がある
前提条件として、賃貸に出すことは予想外だったことと、あくまでも一時的な場合に限るという点です。
最初から賃貸に出す予定だったのに住宅ローンを組むことはNGで、それが判明すると一括返済を求められます。
また、やむを得ない事情があっても、戻ってくる予定がない場合は住宅ローンの継続は不可。一括返済が必要です。
ローンが継続できる場合の手続き方法は?
金融機関から住宅ローンの継続と賃貸に出す許可が出た場合、手続き方法は金融機関によって変わります。
たとえば、住宅金融支援機構の場合、住所変更の手続きが必要で、ソニー銀行の場合は、賃貸契約書などのコピーが必要です。
もしも住宅ローンを継続できない場合は、各金融機関のアパートローンに借り換える必要があります。
持ち家を賃貸に出すにはアパートローン!注意点や賃貸に出すリスクは?
アパートローンを利用することなった場合、住宅ローンとの違いは以下の通りです。
・金利が高くなる
・借り換えの諸費用が発生する
・住宅ローン控除が受けられない
前章で解説した通り、住宅ローンは他のローンに比べて好条件で、金利が低く設定されています。そのため、アパートローンへ借り換える場合は金利が高くなることに注意が必要。
また、借入の時に諸費用がかかったように、借り換えでも手数料が発生します。
手数料は金融機関によって異なりますが、三井住友銀行のアパートローン条件は以下の通りです。
各金融機関の公式サイトには諸条件が記載されているので、しっかりと確認しましょう。
さらに、アパートローンでは住宅ローン控除も対象外になります。住宅ローン控除期間は基本的に10年間適用されますが、適用期間が残っていたとしても適用されないので要注意。
持ち家を賃貸に出すには、賃貸にするリスクも知っておく必要があります。賃貸に出すリスクは以下の通りです。
・空室が続き、賃料収入がなくなるリスク
・借主によっては家賃滞納や近隣とトラブルになるリスク
・緊急で修繕が必要になるリスク(水道、ガス、雨漏りなど)
遠方に転居することになった場合、上記の対応をすることは厳しいため、管理会社に管理を依頼します。
管理会社がしっかりと対応してくれなければ、大きなトラブルになる可能性も。
そのために、賃貸に出すと決めたら管理会社選びもしっかりとすることが必要です。
今回解説したように、住宅ローンが残っていても賃貸に出すことは可能な場合もあります。持ち家を貸し出す予定がある人は、必ず金融機関に相談してくださいね。
合わせて読みたい記事