家を購入したいと思っているが、どのくらいの年齢で購入すべきなのだろうとお考えの方。
平均的な住宅購入世帯の世帯主の平均年齢などの公的機関の統計から、いつ購入することがベストなのかを考察します。
結婚年齢やお子さんの有無などいろいろな要素があると思いますが、統計からざっくりした結果が出てくるので参考にしてください。
統計データによると家購入の年齢は30代が主流
「平成30年度住宅市場動向調査報告書」国土交通省 住宅局で住宅を取得した世帯主の年齢を見ると分譲マンションの場合、30代が60.0%と群を抜いてトップになっており、2位の40代の24.1%の3倍近いことがわかります。
注文住宅や分譲戸建住宅の場合は分譲マンションに比べると30代の購入は少ないですが、それでもトップです。
注文住宅45.1%、分譲戸建住宅57.5%と30代で購入する方が多い傾向であることがわかります。
30代の次に多いのは40代ですが、それぞれ24.2%、19.2%です。
住宅ローンを返済を考えると30代
住宅を購入する場合、現金で購入する人は少ないです。
ほとんどの場合住宅ローンを組むことになりますから、住宅ローンの組みやすさや返済について考察しながら、30代での住宅購入が増えている理由を考えます。
①ローンを組むのは健康であることが条件
住宅ローンを組む場合、「銀行指定の団体信用生命保険に加入が認められる」ことが条件です。
団体信用生命保険に加入できるのは、健康な人だけです。
具体的には過去3年間にガンや白血病、腫瘍などの治療をしていないことなどが挙げられます。
40代になって住宅ローンを組もうと思っても、このような条件から組めなくなる人もいます。
②返済期間は長い方が負担が少ない
返済期間は最長35年です。
25年と35年では月々の返済額が大幅に異なります。
ローンを組む条件は完済時に80歳未満であることですが、できれば定年退職までに完済する方が望ましいです。
そう考えると40代で35年にすることは難しいため、30代で長期ローンを組むケースが増えています。
③頭金を用意する必要がない
頭金として価格の2割以上を用意すべきというのが一般的な常識でした。
そのため、30代で住宅を購入しようとすると親世代から「まだ早すぎる」と言われたということをよくお聞きします。
もちろん、頭金を多く用意すると金利が下がるというシステムを使っている銀行があることも事実です。
しかし、頭金を貯めてから購入しようとしているとその他のメリットを受けることなく年月が過ぎていく場合もあります。
また頭金を無理して払うと、その後予期せぬトラブルで必要な資金がないという状況に陥る可能性も。
一般社団法人「全国銀行協会」のページでも頭金2割はあくまで目安だと書いています。
もちろん、住宅を購入するには諸経費がかかりますから1割程度の用意は必要です。
④頭金より繰り上げ返済をするとお得
長期ローンを組むと月々の返済額が少なく、家計への圧迫が減少し貯蓄も可能です。結果的に繰り上げ返済も可能。
頭金で支払うよりも繰り上げ返済にした方がお得だという説もあります。
繰り上げ返済を考えるなら35年ローンを余裕で組める30代が良いということです。
ライフステージを考えて住宅を購入
国立社会保障・人口問題研究所による「出生動向基本調査」(第15回:2015年実施)の結果を見ると結婚する平均年齢が、男性で30.0、女性で 28.7歳です。
結婚が遅くなると住宅購入はさらに遅くなるのではと思う人も多いかもしれません。
なぜ30代の住宅購入が増えるのでしょうか。
当然のことながら、子育てが終わる年齢も上がり、子どもが大学に進学し教育費がピークになる時期が50代ということになります。
そのため、結婚と同時にしっかりとライフステージごとの計画をした結果、30代での住宅購入を考えた結果ということです。
計画をきちんとしないと老後資金を用意することが難しくなってきているために、しっかり考えたプランが必要です。
住宅を購入するために必要な世帯収入
30代での家の購入が多いとはいえ、いざ自分のことになると年収が少ないのではないかと心配になります。
家を購入している人の年収はどのくらいなのでしょうか。
また年収が上がるまで住宅の購入は控えた方が良いのでしょうか。
①住宅を購入した世帯の平均収入
住宅を購入した世帯年収の平均を見ると、分譲マンションを購入した世帯が最も高く840万円です。あとを追うのは注文住宅で三大都市圏が779万円、全国平均705万円という結果が出ました。
この結果だけを見て、年収が700万にならないと家を購入することは難しいのかと判断しないでください。
都市部の高額マンションの場合、億単位の物件も多く同時に高収入の人が平均値を上げています。じっくりと内訳を見ていきましょう。
②住宅を購入した世帯の収入の内訳
分譲マンション購入世帯の年収の内訳を見ると400万〜600万円が16%、400万円未満も8%程度で、つまり購入世帯の4分の1は年収600万円ということがわかります。
要は年収を考えて無理にならないローン返済ができる物件を選ぶことです。
③世帯の年収から購入できる家の値段を考える
返済金額からどの程度の物件を購入できるかを計算して、予算内の物件を購入すれば家計に負担をかけずにすみます。
年収の20~25%を年間返済額にすることが理想的だと銀行のローンページに掲載されています。例えば400万円の20%なら80万円、1カ月6万7,000円です。
現在支払っている賃貸住宅の家賃と比べて検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
家を購入する年齢は30代がトップでしたが、それぞれの人生設計にもよります。
お子さんの有無、お子さんの教育費、老後資金などを含めたプランが大切です。
シミュレーターを置いている銀行の公式ページなどで、返済額などを計算して計画的にローンを組んで理想の家を手に入れてください。
参考
「平成30年度住宅市場動向調査報告書」国土交通省 住宅局https://www.mlit.go.jp/common/001287759.pdf
「団信保険」公庫団信サービス協会https://www.dansin.or.jp/insurance/business/example.php
「Q 住宅資金の作り方、頭金の目安を教えてください」全国銀行協会https://www.zenginkyo.or.jp/article/life/myhome/4375/
「住宅ローンの頭金は多いほどよい」説のウソ:東洋経済https://toyokeizai.net/articles/-/81873?page=2
「出生動向基本調査」(第15回:2015年実施)国立社会保障・人口問題研究所http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_report4.pdf
住信SBIネット銀行https://www.netbk.co.jp/contents/lineup/home-loan/first/range/
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