家の購入は、個人としては扱う金額も最大であり、何度も買い替えがきく買い物ではないですよね。
本記事では、実際のアンケートの結果をもとに家の購入後に後悔(不満)を感じた事例の中から、多くの声が寄せられている次の事例を解説します。
(1)住宅ローンの返済
最も多い後悔(不満)がローンの返済に関するものです。
下記の表は国土交通省の「平成30年度住宅市場動向調査報告書」から、住宅ローンに関するアンケートデータを抜粋したものになります。
住宅ローンの負担感 (全国 調査) 単位%
住宅ローンの負担感 (三大都市圏 調査) 単位%
出典:共に国土交通省ホームページより
アンケートの回答結果からわかるように、非常に負担(後悔)と少し負担(不満)を合わせて全体の約7割の方が、大小の違いはあれども「後悔をしている」ことがわかります。
住宅ローンを活用して家を購入している方が大多数かと思いますが、良く聞く声として
・自宅購入の後に、会社の業績悪化により給与やボーナスが下がってしまいローンの返済に苦慮している。
・少々無理してローンを組んだけど、収入は増えずに年々生活が苦しくなっている。
・マンションの購入後に、維持管理費が大幅に増加し、正直なところ負担になっています。
等々、お金に関する問題は皆さん抱えています。
家は、家族が毎日を快適に過ごすために購入したはずです。この家の購入のための住宅ローンで生活そのものに支障をきたすような事態は避けねばなりません。
金利の面含めて、背伸びをしすぎた返済計画や、無謀な住宅ローンの借り入れは、のちに大きなリスクになってくることを念頭に入れておきましょう。
(2)周辺住人関係や環境
次に多いのがこの周辺住人関係や環境に関するものです。
賃貸物件では、何かあれば引っ越しして、住み替えますとできるものが、購入したマイホームではなかなかそうもいきません。良く聞く声としては次のようなものがあります。
・自治体を含め様々な行事があり、あまり関わらないようにしていると、近所の人に相手にされないようになってしまいました。
・隣の家の人がクレーマーです。些細なことで文句を言われ、後悔しています。
・マンション購入した者ですが、とにかく上の階の方が毎日のように喧嘩や騒音が絶えずうるさい
・日照を良く調べて購入すべきでした。日が良くあたるは西日のわずかな時間帯のみで、少々失敗したかなと。
・駅までの距離が少しあるため、最初は何とかなると思っていたのですが、年齢を経てから少し通勤時に堪えます。
実際に住んでみないとわからない面もあり、例えば新築マンション物件では、隣の住人が
どのような方かは、購入するまでわからないのが現実です。
とはいえ、例えば日照の問題や通勤時の利便性などは購入時に良く考慮して判断すれば
対策できた可能性もあるので、可能な限り良く調査してから決断しましょう。
(3)家族構成の変化
近年核家族化が進んでおり、かつ高齢化社会ということもあり、以下のようなコメントがあります。
・一戸建て購入した者ですが、ローン返済のために共働きをして留守がちで、いざ目途がたってくると子供たちは自立して出ていきましたので、本当に家を無理して購入すべきだったのかなと。
・親の介護の関係で、結局はマンションを手放して2世帯住宅を選ぶことになりました。
・家を買った後でしばらくして離婚した為、財産分与で揉め、購入を後悔しています。
家は一生モノといいますが、近年のライフスタイルの変化に伴い、一戸建てかマンションか新築か中古物件か、様々な選択肢の中でいろいろ思案されている方が多いです。
(4)中古物件での老朽化
最後に多いのが、特に中古物件で多い、老朽化や家の中の設備に関する話題です。
「住んでみてから、いろいろと不具合を発見してしまいました」 との声をよく聞きます
そのために中古物件では、リノベーションなど、住みやすく老朽化設備も交換して購入している場合も多いのですが、とはいえ、よく聞く後悔(不満)は、老後の配慮についてです。
ここで国土交通省の平成30年住生活総合調査のアンケート速報を見てみましょう。
出典: 国土交通省ホームページより
高齢者世代では、段差への配慮などの不満が最も多いことから、家を買うときに、できるだけ老後生活のこともしっかりと考え、バリアフリーなどに気配りしておく必要がありそうです。
またこの不満調査からは、災害や防犯に対しての不満も意外と多いことがわかります。特に、災害に対しての不満については、耐火構造や耐震への備えをしっかりと考えておくことが大切です。
いかがでしたでしょうか?
本記事のような後悔をしない為にも、できるだけ家を購入時には、幅広くご検討されることを願っています。
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