マンション購入の一番のメリットは、資産になることと設備や防犯対策が充分に備わっている事です。一方で、生活スタイルの変化など単身者のゆえの注意すべき点もあるので、そういった点を説明します。
増加する単身者の持ち家率
単身者のマンション購入がそれほど珍しくなくなった理由の1つに、単身世帯の増加が挙げられます。
1990年には23.1%だった単身世帯は、2015年には34.5%(※1)にまで増えており、今や一人暮らしは全世帯の約3分の1を占める程です。
その結果、単身者の持ち家率も徐々に上がって来ているのです。
単身世帯の持ち家率について、2004年と2014年のデータを比較すると、全世代の平均は男女ともに増加しています。
中でも40代女性の持ち家率は大きく伸びており、10年で1.7倍近くにも伸びています。
※1…総務省統計局資料
※2…平成16年全国消費実態調査
※3…平成26年全国消費実態調査
家賃と同程度の返済額で、マンションの購入が可能
以前よりも買い易くなった事も、単身者のマンション購入が増えた理由の1つです。
分譲マンションを購入する場合、一般的には住宅ローンを利用して毎月ローンを返済しますが、最近は家賃とほぼ同額の返済額でマンションを購入する事も可能です。
また、住宅ローンを組む為の頭金をすぐに用意できない人にも手が届くのが、頭金ゼロの物件です。
物件価格の全てをローンで賄う事ができる為、税金や手数料などの諸費用分の現金だけを用意すれば、購入に進む事ができます。
終の住まいが持てる
特に独身者とって、収入が下がる老後の生活は不安が非常に大きいものです。
賃貸のままだと、高齢になった時に何かの事情で新しい賃貸住宅を探すとしても非常に難しくなります。
今の内に分譲マンションを購入しておけば、老後も安心して住み続ける事ができます。
毎月支払う金額は賃貸と同じでも、分譲マンションなら最後は自分の資産になる…これは大きな利点です。
単身者のマンション購入のメリットと注意すべき点
分譲マンションの購入は一生に一度の大きな買い物なので、不安が生じるものです。
実際に住んだ場合にどんな利点があり、その一方でどんな事に注意が必要なのか?
気になるポイントを確認しましょう。
一人暮らしで分譲マンションを購入した場合のメリット
好みの内装
自分のマンション=自分の好きな内装にできるという事です。
壁紙や照明だけでなく、収納棚やロフトを取り付けるなど、賃貸物件ではできない様々なアレンジを楽しむ事ができます。
自分の部屋に対する愛着が、更に深まります。
万全の防犯対策による安心の生活
長く暮らす前提で作られた分譲マンションには、心地よく暮らす為の工夫が多く、その1つが万全の防犯対策です。
「オートロック」や複製が難しくピッキングにも強い「ディンプルキー」、更に鍵が2ケ所についた「ダブルロック」を取り入れている物件もあります。
館内には「防犯カメラ」が設置されている場合も多く、特に女性にとって安心度はかなり高いと言えます。
最新設備で便利な生活
家事の負担を軽減する最新設備がある点も、分譲マンションならではの利点です。
例えば、シンク下に設置される「ディスポーザー(生ごみ粉砕機)」は、調理中に出た生ごみを粉砕してそのまま下水に流せるので、生ゴミの処理に大変便利です。
また「24時間使えるゴミ置き場」と、不在の時も荷物を受け取れる「宅配ボックス」は、働く一人暮らしの人には特に便利な設備ですね。
一人暮らしで分譲マンションを購入した場合の注意すべき点
生活スタイルの変化
結婚や出産、転職、親の介護などで、引っ越しや実家へ戻るなど生活スタイルが変化した場合に、マンションに住み続けるのが難しくなる場合があります。
売却するには一定の期間が必要なので、賃貸のように即住み替える事は容易ではありません。
ローンを支払えない状況も
失業や休業した時に、まとまった貯蓄が無ければ支払いが滞ってしまう心配もあります。
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マンション選びはここを抑える
マンション購入のメリットと注意すべき点の両方を踏まえた上で、単身者が「買ってよかった」と心から思えるマンションを選ぶ為のポイントを5点ご紹介します
①売却し易い物件
将来の生活スタイルの変化に見据えて、売却し易い物件を選ぶ事は非常に重要です。
駅から近くて交通手段が多い、商業施設が近く買い物が楽などの利便性の高い物件なら安定した需要が見込めるでしょう
②将来の生活スタイルの変化に対応可能
家族が増えても対応できるような間取りを初めから選ぶのも、手段の1つです。
例えば2LDKなら、結婚しても夫婦2人で充分暮らせます。
将来の為に広い間取りを考えるなら、50平米以上の物件がお勧めです。
何故なら、50平米以上の物件は、節税制度を利用する際に大きな利点があるからです。
住宅ローン控除の適用や登録免許税の軽減、すまい給付金の受給等の要件の中に「専有部分の床面積が50平米以上」という項目があります。
③住宅ローンの返済負担率
住宅ローンを借りる場合は、返済負担率が年収の20~25%以内に収まれば安心と言われます。
ただし、マンションは住宅ローンの他にも管理費や修繕積立金、駐車場代などの運用コストも発生するので、それらも含めて住宅ローンは検討しましょう。
④新築・中古それぞれの長所と短所
物件を選ぶ時、新築と中古どちらがよいでしょうか。
新築のメリットは当然、全てが新しい事です。
設備も共用部分も最新なので、気持ちよく高品質な生活を送れますし、建物の保守の為に支払う「修繕積立金」も、初めは少ない負担で済みます。
しかし、新築は中古に比べて価格が高くなります。
一方、中古のメリットは価格が安い事です。
また、新築に比べて選択の幅が広いので、自分の希望に近い物件を見つけ易くなります。
築年数が古いほど修繕積立金が高い物件も増えるのが中古物件の注意すべき点です。
⑤周辺環境も踏まえた総合的な住みやすさ
次のようなポイントを参考に、物件の快適性を確認しましょう。
- 通勤や買い物のしやすさ
- 日当たりや風通しの良さ
- 騒音や振動対策
- 耐震性能
- 共用部分の防犯対策
- 駐車場の使い勝手
- 収納スペースや生活動線
まとめ
マンションを購入する=自分のお金・仕事・将来の家庭生活を含めた人生設計をトータルで見直すという事なので、今一度しっかりとした計画を立てましょう。それが充実したマンションライフにもつながります。