「住宅ローンは、いくらで借りるのが一般的なのだろうか」
住宅ローンの借入額を検討する時、いくら借りるのが一般的なのかは気になりますよね。しかし、大切なことは平均額ではなく、あなたに合った借入額を借りることです。
今回は、住宅ローンの一般的な借入事情と、あなたに合った借入額の考え方について解説します。
みんなは住宅ローンをいくら借りた?平均金額を解説
世間的には、住宅ローンをいくら借りるのが普通なのでしょうか。以下の表は、全国宅地建物取引業協会連合会の調査で、住宅取得金額についてあらわしています。
住宅取得金額
同調査では、住宅ローンを利用した人の半数以上は、住宅取得金額の80%以上を借入れているというデータがありました。
上記の表から、土地・建物とマンションの取得金額で最も多かったのは5,000万以上。仮に5,000万の物件の場合、4,000万で住宅ローンを組んだことになります。
また、住宅金融支援機構のフラット35では、年収に対しての年間返済額の割合(返済負担率)をもとに、住宅ローンの借入可能額を設定しています。
フラット35の基準で計算すると、年収410万の人は、返済負担率が35%以下であれば借入条件を満たすことになり、4,000万の借入が可能。ただ、注意しなければいけないのは、その金額はあくまでも借入可能額ということです。
借入可能額と、実際に無理なく返済できる額は異なるということをよく理解する必要があります。
住宅ローンはいくら借りたらベスト?無理のない借入額について
前章では、一般的な住宅ローン借入額について解説しました。ここで解説するのは、無理のない借入額の考え方についてです。
現在の居住費と毎月の貯蓄額がいくらか整理する
住宅ローンをいくら借りるか考えるときに参考になるのは、現在の居住費と毎月の貯蓄額です。現在の居住費には、駐車場代も含みます。
たとえば現在、家賃12万、駐車場代2万、貯蓄5万の人は、19万が基本の支出。
そして、戸建てを購入した場合、駐車場代はかかりませんが、修繕積立金や固定資産税が必要です。仮に修繕積立金が月2万・固定資産税が月額で1万だとしましょう。
先ほどの19万から、修繕積立金、固定資産税、貯蓄を差し引いた残りが住宅ローン返済に充てられる金額です。この場合、11万になります。
返済期間
返済期間が長ければ、毎月の返済額は少なく済みます。ただし、返済期間が長いほど利息も増えるので注意。
また、自分が何歳の時に完済しているかは大きなポイントです。25歳の人が35年の住宅ローンを組むと、完済時に60歳のため定年までに完済可能。
一方で40歳の場合、完済時の年齢は75歳です。
貯金が十分な場合は心配ないですが、歳を取れば病気のリスクも増えて医療費がかかります。また、人生100年時代と言われるくらい日本人は長生きです。
公的年金では生活費を賄いきれない可能性が高いため、住宅ローンは定年までに完済しておくことをおすすめします。
返済負担率
前章で少し解説した返済負担率とは、年収に対して年間の借入返済額が占める割合です。たとえば年収500万の人が年間150万の住宅ローン返済をしている場合、返済負担率は30%。
フラット35の返済負担率は、年収400万未満の場合30%、400万以上の場合35%以下が借入可能額の基準です。ただ、この基準ギリギリまで借入することは危険。
たとえば年収400万の場合、年間140万が借入額限度額です。しかし、400万の人の税額控除後の手取りは、約300万〜320万。月額にすると、27万の手取りで毎月12万返済していくことになります。
現在は支払いが可能でも、長い返済期間の中で返済が苦しくなる可能性を考えることも必要です。病気になるリスク、不況でのリストラや倒産、教育費の増加などを考えると、家計に余裕があるに越したことはありません。
それでは、返済負担率はどれくらいだと、家計に負担がかからないのでしょうか。
住宅金融支援機構の調査では、住宅ローン(全期間固定型)を組んだ人の約87%は返済負担率が25%以内だというデータがあります(参照:https://www.jhf.go.jp/files/400342672.pdf)。
たとえば年収500万の場合、125万以内ということです。住宅ローンをいくら借りるか考えるときは、返済負担率が25%以内におさまっているか確認してくださいね。
まとめ
今回は、世間的に住宅ローンをいくらで借りる人が多いのか、無理のない借入額の考え方などについて解説しました。
年収が同じ人でも毎月の出費は人によってさまざまですし、将来設計も十人十色。一般的にいくらかではなく、あなたに合った無理のない借入額を検討しましょう。
合わせて読みたい記事