銀行系の住宅ローンの契約には団信加入が不可欠です。
しかし健康が原因で団信に加入できず住宅ローンを組めないという人も。
そのような方を対象にしたワイド団信を利用すれば、住宅ローンを組める場合もあります。
ここではワイド団信について詳細を解説します。
団信とは
ワイド団信について説明する前に、まず団信について解説します。
団信とは団体信用生命保険の略称で、銀行で住宅ローンを組む際に契約します。
団信は、住宅ローン契約者がローン返済中に死亡などでローン返済が不可能になった場合に、契約者に変わってローンを金融機関に返済するという保険です。
死亡以外にも障害を持った場合など保険によって条件が決められています。
多額の融資を長期間にわたって保証する保険ですが、銀行ローンの金利から支払われます。
長期間の支払いを保証するため、健康であることが条件で、高血圧・糖尿病など持病がある場合やガンの治療をしている場合などは契約ができません。
団信の契約ができないために、住宅ローンが組めず、結果的に住宅を購入できないという場合が少なくありません。
ワイド団信とは
ワイド団信の正式名称は、「加入条件緩和割増保険料適用特約付団体信用生命保険」です。
団信では持病があると契約できませんが、ワイド団信では条件を緩めています。
厚生労働省によると2015年(平成27年)時点で糖尿病の可能性がある人は、男性で19.5%、女性9.2%です。
また肥満者の割合が男性29.5%、女性19.2%と、特に男性で増加の傾向です。
そのため団信に加入条件をクリアできない人が増えていたとしても不思議ではありません。
ワイド団信はこのような持病のある人も契約しやすい団体保険です。
とはいえ、ワイド団信が誰でも契約できるわけではありません。
ここではワイド団信を利用するケースと保険内容、メリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。
①ワイド団信と団信:共通点と相違点
共通点は契約に関すること。
契約は、銀行ではなく保険会社とするため、審査は保険会社が行います。
従来の団信と同様にワイド団信を契約する場合も、契約者の持病などを告知書に記載して報告しなくてはいけません。
また5000万以上の住宅ローンを組む場合は、保険会社所定の診断書などを提出する義務が生じます。
この義務はワイド団信だけではなく、従来の団信にもいえることです。
多額の住宅ローンを組む場合は、時間がかかりますから、前もって用意するようにしましょう。
相違点は持病に関する規定がワイド団信の方が厳しくないことです。
②ワイド団信のメリット
ワイド団信では、持病があっても契約できる可能性が高い保険です。
団信で契約できず、ワイド団信では契約できた持病は次の通りです。
- 糖尿病
- 肝炎
- 高血圧
- 潰瘍性大腸炎
- うつ病
- パニック障害
- 喘息
- 緑内障
- 子宮筋腫
持病ではありませんが、妊娠していると団信では契約ができませんが、ワイド団信では可能な場合がほとんどです。
記載されていない持病以外にも契約が成立した例は多いですが、同じ疾病でも契約できないこともあります。
まずは問い合わせてください。
③ワイド団信のデメリット
ワイド団信は、金利が高くなることがデメリットです。
上乗せされる金利は、銀行によって0.2%または 0.3%です。
契約時の年齢に制限があることもデメリット。
従来の団信は満15歳から70歳まで契約可能ですが、ワイド団信は満20歳から満50歳までです。
すべての金融機関がワイド団信の取り扱いをしているわけではないため、ローンを組む金融機関の選択肢が少なくなります。
しかし徐々に取り扱っている銀行が増えています。
以前は金利の低いネット銀行は取り扱っていませんでしたが、現在ではソニー銀行やジャパンネット銀行なども扱っっています。
以上のことをまとめました。
表を参考にしてください。
ワイド団信を契約できる銀行、できない銀行
ご自身の取引銀行がワイド団信を取り扱っているかどうか気になるところです。
主要銀行がワイド団信を扱っているかどうかを表にしましたので参考にしてください。
このほか、中国銀行や北洋銀行、常陽銀行など地方銀行では、取り扱っている銀行が主流です。
auじぶん銀行やソニー銀行の場合は65歳未満までの契約が可能で、一般のワイド団信より年齢の幅が広いです。
定年を間近に控え、住み替えを考えている方には朗報ですね。
また三井住友銀行のように、公式サイトに記載がなくても取り扱っている銀行があります。
取引銀行に借り入れをしたい場合は、公式サイトになくても問い合わせてみましょう。
ワイド団信の契約金は、住宅ローンの金利に上乗せをして支払うシステムですから金利が低いほど支払いが少ないということになります。
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